干し海苔を遠火であぶると青みをおびた緑色に変わります。これは海苔にはフィコエリトリンという赤色の色素たんぱく質と、フィコシアニンという青色の色素たんぱく質、さらにクロフィル(緑色)、カロチン(黄色)、キサントフィル(黄色)などの色素が含まれていますが、熱せられると赤色のフィコエリトリンが青色のフィコシアニンに変わるためで、海苔を焼くと青・緑・黄色の混合した色の構成となるためです。



もちろん、美味しいからとか、携帯に便利だから…という理由もありますが、栄養の面から見るとこんな答えも。海苔にはご飯の主成分である澱粉を消化させるために必要なビタミンB群が豊富に含まれています。だから、海苔で包まないおにぎり食べる場合にくらべ、消化吸収がグンとよくなります。美味しいだけじゃない、海苔の魅力のひとつがここにあります。



海苔は海藻の仲間ですから、もちろん加工前は干し海苔のようにパリパリした状態ではありません。採れたては「ぬるぬる」としています。この「ぬるぬる」とした感じから、「のり」がこの海藻を表す意味に使われるようになったという説があります。つまり、糊のようにぬるぬるしているから…という意味で「のり」と呼ぶようになったという説です。